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第五七話 呪詛

مؤلف: 文月 澪
last update آخر تحديث: 2026-01-12 16:00:00

 まずは先制。アサルトライフルが弾丸の雨を降らせ硝煙の匂いが充満する。空になった薬莢が乾いた音を立てて落ちた。

 的が大きいためそれは全て命中したが妖蟲の突進は止まらない。

 血飛沫を上げながら奇声を上げ、ただ闇雲に突っ込んでくる妖蟲を水戸と飯田が前に出て迎え撃つ。

 折り重なるようにして餌に群がる妖蟲共は先を行く飯田に狙いを定めた。

 牙がいびつに並ぶ口を大きく開け押し潰すように迫る。

 飯田は反転して身をかわし、一歩引いた足に膂力りょりょくを乗せ口角から側面へと刀身を走らせ振り抜く。その反対側から水戸も続いた。

 それは妖蟲を両断し絶叫と共に地面に沈め黒い染みが広がる。

「一匹撃破!」

 飯田が宣言し、次の目標に狙いを定める。

 そこへ攻撃が集中した。

 飯田は飛んでくる群れを転がりながら回避したが妖蟲の様子がおかしい。

 飯田達には目もくれず息絶えた仲間の死骸に喰らいついたのだ。見る間に喰い尽くしていく妖蟲共は次第に膨張していった。腹が裂けても喰う事を止めない妖蟲は肥大化し手脚が生え進化していく。餌食となった仲間の霊力を取り込んだのだ。

 これでは倒せば倒すほど敵に力を与える事になってしまう。律は歯噛みした。今までも複数の妖魔を相手取った事はあるがこんな事は初めてだ。妖魔が喰うのは人の念のみ。それが定説だ。しかしこれではまるで――。

「まさか蠱毒こどく!?」

 律は教習で聞いた話を思い出していた。壺に毒虫を入れ共食いさせ、最後に残った虫を使った呪い。それを妖蟲でやっているというのか。本来は人が人を呪うために行われる秘術のひとつ。つまりは犯罪だ。それは陰陽寮ではなく警察の管轄となる。自然発生する妖魔を相手にしてきた律には討伐経験が無かった。背中を冷たいものが伝う。

 そんな律の様子を見て伽陸がほくそ笑む。

「流石でございますね。その通り。ここにいるのは皆共食いを経て成長した子供達です。可愛いでしょう? ︎︎手っ取り早く妖魔を育てるには絶好の手法です。妖蟲とて人の念に変わりはございません。自然に任せるより確実で

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